小学校での「35人学級」を実現していく改正法案が3月31日に成立したというニュースが流れてきました。
アラフィフの私が小学生の頃は、一クラス50人弱位が普通だったので、「35人学級」という人数の少なさに普通に驚いてしまいました。
40年もの間続いてきた40人学級から、段階的とはいえ、35人学級へ変更される理由は一体何なのでしょうか?
原因を調べてみたら、意外な事実がある事が分かりました。
「35人学級」への改正法案はなぜ必用だったのか
35人以下の学級 実はすでに結構存在している
「35人学級」の改正法案が実現した一番の理由は、「生徒一人一人への手厚い支援が可能になる為」という事。
手厚い支援が可能に、先進国34国の平均は21人
引用元 東洋経済ONLINE 小学校「1クラス上限35人」に変わる理由と課題」
つまり、一人の先生がみる生徒の数が大人数になるより、物理的に少ない方がよく目が行き届く。という事でしょうか。
でも調べた所、すでに1クラス35人以下、という小学校は結構多いようです。
ちなみに現在私が住んでる滋賀県の彦根市の小学校を調べてみた所、平均人数はどの学校も一クラス30人にも満たないものでした。
多い小学校でも平均一クラス26人という結果でしたので、今回の「35人学級」よりはるかに少ない人数ですね。
「35人学級」で文科省vs財務省バトルは何故起こる?
ニュースを見ていると、この「35人学級」の改正法案で「文科省vs財務省の大バトル開始」という言葉があり、とても気になりました。
私は恥ずかしながら政治に全く疎い人間なので、なぜこの「35人学級」が「文科省vs財務省」のバトルにつながるのか全く分かりません・・(∀`*ゞ)テヘッ
何となく私個人のイメージとしては
・文科省~教育に関わる事全般
・財務省~お金に関わる事全般
こんなざっくりしたイメージですが合ってますでしょうか💦
とにかく、教育とお金を司る所のバトル・・という事は、教育のどこかの部分にかかるお金を、財務省が納得していないから・・、という事なんでしょう。
そこで調べてみた所、一番ネックになっているのは一クラスの人数を減らすと、逆に教員の数が必要になる、という所。
教員の数を増やせば、当然予算がかさみますよね。
又、クラス数が多くなると、増設などが必要になってくる小学校も出てくるでしょう。
又、文科省は本来小学校だけでなく、中学、高校まで「35人学級」の検討を求めていた、という事なので、それを一旦小学校のみでの実施とし、お互いが本来の目的を妥協した所での、今回の改正法案の成立となったようです。
ただし、一番の目的である中学、高校までの「35人学級」が小学校のみになった文科省と、予算を最小限に抑えたい財務省とでは、まだまだ熱いバトルが続く、という理由がこれで分かりました。
「35人学級」のメリットは?
「35人学級」のメリットをもっと詳しく知ろう
今回の「35人学級」の改正法案のメリットを一言でいえば「生徒一人一人への手厚い支援が可能になる為」という事でした。
又、調べた所、次のような記事も見つける事が出来ました。
実は以前から、小学校や中学校のクラスは35人どころではなく30人以下が望ましいと言われ続けていました。
理由は以下のように考えられています。●貧困・虐待・発達障害などにより手厚い支援が必要な子どもが増えているから
●「GIGAスクール構想」で、1人1台のパソコンやタブレット端末を使うにあたって、きめ細かな指導が必要だから
●クラス数が多いほうが、クラス替えを機にトラブルや人間関係のこじれをリセットしやすいから
●公立学校の教師の負担を減らさなければますます希望者が減り、今後の公教育の維持が危うくなるから などクラスの人数が減ることで、先生たちがより1人ひとりの子どもと丁寧に向き合い、いじめや学習のつまずきにも早く対処できるようになれば、子どもたちへのプラスの効果は大きいと思われます。
しかし、今回、予算不足と「クラスの人数を減らしても効果はないか、小さいと思われる」という理由で30人学級は実現せず、35人で決着する形になりました。
引用元 東洋経済ONLINE 小学校「1クラス上限35人」に変わる理由と課題」
他にも、学校側のメリットとして
・家庭訪問で回る件数が減る。(通常家庭訪問の時期には、先生方はご家庭を回った後に、普段の授業後に行ってる仕事を行います。なのでこの時期には時間も充分に取れず、物理的に先生方の負担が増える事になります。)
・宿題やテストの採点時間が減る。
・机の数が減るので、教室を広く使える。
このような内容が挙げられていました。
「35人学級」のデメリットは?
では、逆に「35人学級」のデメリットはどんな事が考えられるでしょうか?
生の声が知りたかったので、Twitterを見てみました。
なるほど・・。確かに教員不足のニュースは私も目にした事があります。
学級数が増えても先生の数が足りなければ、そもそもきちんと成り立たない事になりますね。
又、こんなツイートも気になりました。
…正直、言葉を失いました。
これらのツイートを見ると、「35人学級」のデメリットというよりは、まず教師の方々の働く環境や待遇の改善が先決である。
そんなツイートが非常に多かったのが、印象的でした。
「35人学級のメリットデメリットについて」~まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、既に4月1日から施行されている「35人学級」についてお話させて頂きました。
最初にこのニュースを見た時、私には小学校に通う歳の子供もいないし、特に何も感じませんでした。
しかし調べている内に改めて分かった事。
1、「35人学級」。でも先進国の中で、一人の先生が見る生徒の数としては、まだ多い方である。
2、一クラスの人数を減らせば、教室の数や教師の人数も増やす必要がある。つまりそれだけ費用がかかる為、文科省が本来望んでいる高校まで「35人学級」にする、という目的は果たされていない。
3、教師の数が更に必要になるが、教師という仕事が精神的にも肉体的にもハードな為、現段階ですでに教師の数が不足している。
つまり、「35人学級」をすすめる上でのデメリットは特に見当たりませんが、その前の段階での学校の設備や教師の増員に対する予算の不足。
そして、ハードすぎる勤務の為の、そもそもの教員不足。
そう考えると、「35人学級」はもちろん教師の負担を減らすきっかけとしては良いことだと思いますが、それと同時に教師の働き方の改善、予算の捻出、などを進めていかないと、大きな改善にはつながらないのでは、と思いました。
今回の「35人学級」の改正法案。
不随する課題がまだまだありそうですね。
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